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メディア掲載|「Life-Teck KOBE」

弊社代表の小池のインタビュー記事が神戸市のスタートアップエコシステム情報サイト 「Life-Teck KOBE」に掲載されました。記事はこちらから。

「誰にでも訪れる〝死〟を森林保全に」 既成概念を覆す女性起業家の挑戦

人と地球にやさしい循環葬®︎「Return to Nature」

日本は国土面積の約7割が森林という森林大国ですが、林業の衰退や地域の人口減少を背景に、たくさんの森が長年放置され荒廃が進んでいます。そのせいか、多くの人がイメージするような、日光が差す明るい森はほとんどなく、手入れのされていない暗い森ばかりになってきているそうです。これだけの資源を保有しながらも有効活用できていない現状に一石を投じるため立ち上がった一人の起業家、at forest代表の小池氏。コロナウィルスがきっかけとなり、「死」における課題に向き合うこととなった小池氏が、「荒廃した森」と「誰にでも訪れる死」を掛け合わせ創案した循環葬で描く未来を伺いました。

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風習や慣習がもたらす「死」への弊害

⁻起業された経緯について教えてください

小池氏(以下、小池):私は元々起業を目指していた訳ではなく、15年間ほどコピーライターとして関西エリアを中心に活動をしてきました。起業とは縁のない生活を送っていたのですが、コロナが大きなきっかけとなり、事業を立ち上げることになったと思います。多くの方がコロナウィルスの被害に見舞われましたが、大好きだった私の祖父もコロナウィルスによって亡くなりました。「生命の終わり」は誰しもが迎えるものであり、おぼろげながらもどのようなものかは認識できていると思いますが、ここまで多くの方が感染し「死」を身近に感じたのは初めてのことではないでしょうか。時を同じくして、両親が「お墓」について会話し始めたため、私も自分なりに「人生の終え方」について調べてみたのですが、日本のお葬式やお墓には決まりきった慣習や風習が多く存在していることに気付き、そこにとても違和感を持ちました。

⁻具体的にどのようなところに違和感を持たれたのでしょうか

小池:今私たちが生きている現代社会は多様性に溢れ、何かを始めようと思ったときに自らが歩みたい方向に歩んでいくための選択肢がたくさん用意されていると思っています。ところが、人生の終え方となると選択肢がとても少ない。もし、自分が人生の終盤を迎え、自分らしい終え方を選べないのはとても悲しく、残念なことだと思いました。そこで世界の事例も含めて、どのような選択肢があるのか調べたところ、海外では日本にない取り組みをすでに行っているところがあり、今日本で誰もやっていないのであれば、私が始めることで新たな価値観と選択肢を与えられると思い、事業を興すことにしました。

⁻「事業を興す」ということは、この段階では「起業」していないということでしょうか

小池:そうですね。元々コピーライターだったということもあり、まずは企画書に落とすところから始めました。大きな方向性は決まっていましたが、ある程度各論も含めて固めておく必要があると思ったので、まずは資料化してみました。固まってしまえば、あとはこの企画をどう進めるかという段階になりますので、ビジネスコンテストや、神戸市が参画するスタートアップ向けの支援プログラムを探して応募するようにしましたね。シード期に特化したスタートアップエコシステム「norosi Startup HUB」では、アイデアに共感し応援してくれる仲間が見つかり、神戸の農村地域の事業づくりに特化した「神戸農村スタートアッププログラム」では農村地域の様々な現状を知りました。関西の女性起業家向けのプログラム「LED関西」ではファイナリストに選ばれ、数ヶ月間のサポートを受けた後、最後にプレゼンを行うことになりました。後から分かったことですが、最終プレゼンでは100社ほどの企業様が出席されると聞き、私の予想を遥かに超える場だったため、そこに合わせる形で起業することを決めました。


目の前だけでない、全ての人のために選択した

⁻アクセラレーションプログラムではどのようなことを感じましたか

小池:女性起業家向けのプログラムでは、ビジネス・プライベートも含めて同じような悩みを抱えている方が多く、「この不安やモヤモヤは私だけじゃない」と知ることが出来たのは、かなり救われました。またビジネスの面でも、隣にいる仲間がちょっと前に進むだけでも刺激となり、切磋琢磨できる関係が作れたのは良かったですね。ただ私が最も衝撃を受けたのは、次に参加した神戸市が行う女性起業家向けプログラムです。神戸市に支援していただき、東京で開催されるプログラムへ参加させてもらったのですが、まず集まった起業家の視座とメンターのレベルの高さに驚かされました。まだ事業を始めたばかりの私と比べると、だいぶ先のステージに進まれている方が多く、経験値の違いを感じました。そしてプログラムの内容も具体的で、「チームの作り方」や「事業戦略の描き方」を成長してきた企業から直接聞くことが出来、とても参考になりました。その反面、これまで自分が見てきた世界はかなり狭かったと痛感させられましたね。

⁻慣れ親しんだ環境から抜け出し、新たな環境に飛び込んだこその気づきですね

小池:挑戦したことは本当に良かったと思っています。これまで自分の原体験をベースに事業に取り組んできましたが、様々な方よりご意見をいただけたことで世界が広がりました。さらに良かったこととして、東京や海外にも私が提供するサービスの需要があることに気付くことが出来たことです。たくさんの方にお会いして、私の想いを聞いていただき、サービスについてお話しさせていただきましたが、「そういう選択肢があるのはいいよね」「親に紹介したい」と言っていただくことが多くありました。関東にも必要だと感じる方がいるのであれば、日本の全体で私のサービスを待っている人がいるかもしれないと思い、全国に展開していくことを決意しました。

⁻需要があるとはいえ、死を考えるきっかけが少ないことにはどのようにアプローチされるのでしょうか

小池:近代化に伴って死を遠ざけてきた日本ですが、多死社会に近づくにつれて少しずつ考える人は増えてきているように思います。自らシニアの方にインタビューを行いましたが、ほとんどの方がすでに考え始めており、みなさん口を揃えていうことは「子どもに迷惑かけたくない」と言っていたんです。考え始める方は増えているものの、自分自身のこと以上に残される家族を気にされていました。そして、やはりここでも「お墓問題」は多くの方が懸念事項として挙げられていました。代々のお墓だと管理はどうしてもご家族に任せなければならないし、墓じまいして永代供養だけというのも少し違う。考える人が多くなった今だからこそ、新たな選択肢を提供し、私たちのサービスを選んでくれる人が増えれば、よりよい未来になるだろうと思っています。


人は「目的」があるから輝き続けられる

⁻多くの人が人生の終え方について向き合う世の中はどのようなものになるのでしょうか

小池:「終活」という言葉が世の中に浸透しはじめてきましたが、私は終わるために活動するのではなく、「よりよく生きるため」のサービスを提供したいと思っています。自身の終わりについて考えるということは、今までのそしてこれからの「生き方」を見つめることでもあります。自分が納得して決めた最後の目的地があれば、もっと自由になれるのではないか。この世界観が実現できると、シニアになっても自分らしく楽しく暮らせるようになり、その姿を目にする下の世代が、自分たちの未来を心配するのではなく、逆に「希望」を持つ世の中になるのではないでしょうか。

⁻「終え方」の選択肢が増えることで様々な可能性が得られるのですね

小池:そうなることを願っています。文化に違いがあるものの、海外ではすでに「大人が行く森」が複数あり、マインドフルネスやウェルネスの文脈で活用されています。自然環境を変えることなく、そのまま自然に溶け込みながら瞑想をしたり、サウナに入ったりと景観を活かしながら、大人が楽しめる設計が施されています。日本にもアスレチックフィールドが森の中にあって、アクティブに活動できる場はありますが「癒しの場」としての活用をもっと進められると思っています。こうした取り組みを増やしていくためにも、自然を整え、維持する必要があります。「人生の終え方」の選択肢を広げ、さらにその選択によって自然環境が守られる、人と地球にやさしい「循環葬®︎」を世の中に広げていきたいと思います。

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